仕事をする人として
薬局を経営していて痛感するのは、やっぱり会社と同じように、人材育成は
とても大切なんだということです。経営者=社長がどんなに偉い存在であっても、
結局一人では仕事は成り立たないことが多いわけですから、なるべく
従業員の人とも良い関係を築いておくように心がけるのは大切です。
薬局を経営する場合、薬剤師の人が経営者になる場合も多いようですが、
薬剤師でない方が社長になるケースも多いということです。
インターネットのあるサイトの記事に、地方の薬局の経営の成功例が
掲載されていましたが、私が読んでもなるほどと参考になる部分が多くありました。
この地方薬局の社長を務めている人は薬剤師ではないそうですが
、薬局の開店当初から、社員教育の重要性を認識しており、常日頃から
そのことを周囲に公言してきました。
10年ほど前、この薬局が開店した当時は、社員研修に参加してい
る薬剤師さんたちはあまりいい顔をしておらず、雰囲気もあまり
良くなかったようです。
しかし現在は、この薬局は薬学部の卒業生にとても人気のある
薬局となっています。今では、この薬局は人材の確保がとても
難しい地方にあるにもかかわらず、人材を選ぶのに
困らないほどの成長ぶりを見せているということです。さらに、
開店当初と比べて、社員の薬剤師さんたちは、皆目を
輝かせてやる気満々で働いているのだそうです。
効果的な方法
一体どのような工夫をすれば、このような社員の薬剤師さんの
モチベーションを引き出せる薬局になるのでしょうか。興味津々で
さらに記事を読み進めましたところ、その秘密は、薬局の社長の
経営者としての手腕もさることながら、初心を貫いてひたすら
しっかりとした社員教育に励んできた努力が実を結んだことにあるそうです。
しっかりとした社員教育をすることが、不況の中でも
生き残っていく薬局を経営していくコツなのです。薬局に限らず、
現在の会社は、社員教育にかけるコストをケチる傾向にあるようです。
「できうる限り社員の教育にかけるコストは安く済ませたい」というのが
多くの日本の企業の本音なのではないでしょうか。社員教育のコストを
安く済ませたいあまり、現在では、社員となる薬剤師の研修会も
1回で済ませたがる薬局があまりにも多いのが現状です。
しかしそれでは、本当に薬局にとって使える薬剤師を
育てることはできないのです。なぜなら、研修会を
1回済ませただけでは、使える人材として変われる薬剤師の人は
ほとんどいないからです。
いたとしてもごくごく稀のケースです。
例えば、患者さんとのコミュニケーション能力を高めるための
社員教育を1回だけ行ったとしても、すぐに身につく人など
ほとんどいないでしょう。普段なかなか人に話しかけることが
できない人が、1回だけお客様に「いらっしゃいませ」と言うように
研修を受けた後にデパートなどの売り場に放り出されても、
うまく「いらっしゃいませ」とお客様に言うのは困難です。
薬剤師の研修会を1回で済ませるようなケースは、こういった
例と同じだといえます。普段なかなか人に話しかけられない人が
うまく「いらっしゃいませ」とお客様に言うには、自然とそれが
言えるようになるまで、粘り強く研修をする必要があるのです。
このように、現在の薬局の社員教育には、社員一人一人の性格や
適性に応じた形の教育をすることが求められているのです。
グローバルな薬剤師が求められる時代
ここ最近は、高校生がアメリカ留学という形で海外の医療技術や
薬学を学ぶというケースも多く、優秀で志の高い学生の方も
増えているそうです。とくに最近は、日本でもグローバル化が
進んでいるので、語学に長けた薬剤師というのも需要が
高くなっていくと思います。
実際、都心部のドラッグストアなんかでは、外国人観光客の方に
医薬品を販売するのに苦労しているという声も聞きます。
現場の人が一から言語をマスターするのは大変なので、今後は
海外の方とちょっとした意思疎通を図るための研修なども
増えて行くでしょうね。