想定外の副作用が起こり得る
健康維持はもちろん、美容に効果のあるものなど、最近は様々な効果のあるサプリメントが豊富に出揃っていますが、いくら健康維持に効果があるといわれているサプリメントであっても、薬と一緒に飲んでしまうと悪影響を及ぼすものがあります。
サプリメントと薬を一緒に飲むと、場合によっては薬の効果を弱めてしまったり、逆に副作用が出てしまうというケースもテレビのニュースで報じられています。
近年は、病院の診察を受けますと、問診票などで飲んでいるサプリメントの種類を尋ねられることが多いようですが、この時は正直に自分の飲んでいるサプリメントの種類を書き込むようにしましょう。
正直に自分の飲んでいるサプリメントの種類を申告しないと、せっかく医師から処方された薬の効果を弱めてしまうことにもなりかねません。
例えば、2000年以上前から、いろいろな効果があるとして使われてきた西洋オトギリソウ(セントジョーンズワート)というハーブは、軽いうつ症状を軽減するという効果で知られており、日本国内でもこのハーブの成分を濃縮したエキスがサプリメントとして販売されるようになったそうですが、これも実は、薬と一緒に飲むとその効果を弱めてしまう危険性のあるサプリであるとして、専門家が警鐘を鳴らしています。
その理由は、西洋オトギリソウが、体内の解毒酵素を増やして薬物の分解をすることがわかっているからです。
このサプリメントと強心薬や抗てんかん薬、抗不整脈薬、免疫抑制剤薬などを一緒に飲んでしまいますと、薬の効果が消えてしまうことすらあります。
これらの薬の効果は、血液中の濃度がある一定まで高まることで初めて現れるのですが、西洋オトギリソウの濃縮エキスを一緒に飲んでしまいますと、これらの薬の成分が血液中で高まらないうちに分解・排出されてしまうからです。
飲み合わせ要注意サプリ
また、血液の流れを良くし、脳内に血液を多く供給する働きがあるため、認知症や記憶力の改善、脳こうそく予防に役立つ効果があるとされているイチョウ葉も、一部の薬との併用に注意しなければならないサプリメントの一つです。
イチョウ葉には、血液が固まるのを防ぐ作用があるため、これと血栓防止薬を一緒に飲んでしまいますと、効果が強くなりすぎて傷口などからの出血が止まりにくくなってしまう場合もあるそうです。
昔から健康食品として知られている青汁やクロレラも、薬との飲み合わせには注意が必要です。
これらの健康食品はビタミンKを含有しているため、血液凝固防止薬と一緒に飲んでしまいますと、その効き目が弱まってしまいます。
薬を飲む時に一緒に飲む水にも注意を払う必要があります。
お茶や牛乳などと一緒に薬を飲んではいけないことは皆さんもよくご存知と思いますが、実は、最近多くの人にもてはやされているミネラルウォーターで薬を飲むのはなるべく避けたほうが良いようです。
特に、カルシウムやマグネシウムといったミネラルを多く含んでいるミネラルウォーターは、薬の体内への吸収に悪影響を及ぼす場合もありますので、注意が必要です。