つらい症状

アトピー性皮膚炎は、かかってしまうととてもつらい症状が出るアレルギー性の皮膚炎です。
特に厄介なのが、温まると温まった箇所からどんどんとかゆくなってしまうことです。

私の祖母は、最近までアトピー性皮膚炎に思い悩んでいました。
なのでこのときも、「いつも寝床に入ってあたたまるとかゆくなってしまって眠れない」ということをよく母に漏らしていました。

祖母の話によりますと、寝床に入ると、途端にアトピーの患部がかゆくなりだすため、なかなか布団に入れられずに苦しい思いをしていたんだとか。
そんなアトピー性皮膚炎が、温まることによって症状がひどくなるという理由が、先日大阪と高知の研究チームによって明らかにされたそうです。

痒みの理由

この研究チームは、アトピー性皮膚炎でよくあるこの症状の原因となるものの理由をこのように発表しています。
それは特定のタンパク質のために、皮膚の神経が増えてしまい、熱に敏感になってしまうからだということを突き止め、発表しました。

健康な人は、体があたたまっても何の反応も起きませんが、アトピー性皮膚炎の患者の場合は、アーテミンという名前のタンパク質が蓄積してしまうそうです。
これが、アトピー性皮膚炎の患者が、ずっと悩んでいたあのかゆみが生じてしまうという原因のようです。
研究チームは、アーテミンがどのような働きをするのかを詳しく分析することをあげています。

そうすれば、日常生活においても困っていたこのかゆみに悩まされているアトピー性皮膚炎の患者に的確な治療ができるようになるだろうという期待を寄せています。
アトピー性皮膚炎の患者に対して、医師は患部を掻くなとよく指示するそうです。

ですが、そんなことを言われても、我慢できないかゆみにはどうしても耐えられない、という人も多いことと思います。
そういう時は、肌が本来もっているのバリアを回復させるようなスキンケアをすると、症状をやわらげることができるでしょう。
アトピー性皮膚炎の人は、いわば乾燥肌がさらに悪化したような状態です。

この病気の患者は肌の角質層が崩壊してしまっているため、肌は外部からの刺激に弱くなってしまいます。
強いかゆみが症状として身体に現れてしまうのは、このためです。
こういった状態を改善し、肌のバリア機能を回復させるには、普段から肌に潤いを与えるようにするとよいでしょう。

対処法として

洗顔料を泡立てる保湿効果のあるスキンケア商品を使う、または、加湿器を使うなどをして部屋の湿度を適度に保つようにしていきましょう。
ただし、スキンケア商品を使う際には、注意したいことがあります。

スキンケア商品を使う際は、アトピー性皮膚炎の患者でも使えるものかどうか、きちんと確かめてから、それらを使うように心がけましょう。
間違ったスキンケア商品を選んでしまいますと、かえって症状を悪くさせてしまう危険性があります。

アトピー性皮膚炎の患者が使ってはいけないとされているのは、強い洗浄力を持つスキンケア商品です。
特にシャンプーや石鹸を使うときは、汚れを落としすぎないタイプのものを使いましょう。
それから、先ほど紹介しました研究結果にもありました通り、体かあたたまりすぎますとアトピーのかゆみはひどくなります。
ですので、入浴の際はぬるめに設定をしておいてお湯に入るようにしましょう。

肌の再生医療という選択肢

祖母も、今は治療のおかげで日常生活に支障が出ない範囲まで改善しました。
なかなか根気のいる治療ですが、日頃のスキンケアを基本になるべくかゆくてもかかないということも大切みたいです。
かゆみなどの症状は緩和されるようになりましたが、ひどかったときは皮膚をあちこち掻いてしまっていたため、祖母の体にはところどころ傷のように跡が残ってしまっていました。

薬だけでは限界があると感じていたのでしょう。
それを見かねて母が、少しでも跡を目立たなくさせたいと思いかつて自分が行っていた肌の再生医療を勧めていたのです。
私も、母からそのことを聞くまで肌の再生医療についてあまり知りませんでした。

この治療はもともと、熱傷などに対する培養皮膚治療からできたもので、自分自身の肌細胞を培養し、その細胞を使って肌の状態をより良い状態に改善していくという方法です。

症例写真も見てみましたが、あくまで個人差はあるものの、自分自身の肌細胞を使っているので安心ですし、何より肌が綺麗になると嬉しいですよね。
祖母も最初は肌の再生医療に対して不安を持っていたようですが、母自身が治療を受けていたと知ると、前向きに治療を考えるようになったそうです。

アトピー性皮膚炎は、日常生活や薬で症状の改善はできますし、跡が残ったとしても少しでも綺麗な状態に近づける治療もあります。
祖母と同じような悩みを持つ方の参考になれば幸いです。