薬剤の投与日数制限がある薬

医薬品の規制や制限というのは、時代によって変化するものですが、投与日数に関する制限も大きく変化してきたものの1つです。
たとえば、平成14年までは、医薬品の投与は14日間が原則リミットとなっていました。
それが変更されると、特定の薬以外は日数制限がなくなり、長期に亘って投与することが認められました。
その後も、いくつかの薬についての投与日数制限が数回制限され、変更が見られています。

特に、麻薬や向精神薬についての変更はなされていて、制限日数が度々変わっていますので、注意が必要です。
しかも、同じ麻薬、向精神薬でも種類によって日数が違うものもありますので、しっかりと確認しておく必要があります。

麻薬の投与日数制限

主に痛み止めなどに使われる麻薬ですが、薬の種類によって14日か30日の日数制限がありますので、確実に2つの分類を行っておきましょう。

14日間の日数制限があるものは、アヘンやエチルモルヒネ塩酸塩、アヘンアルカロイド、注射薬のオキシコドン塩酸塩水和物、複方オキシコドン、ペチジン、内服によるフェンタニルクエン酸塩、オキシメテバノール、メサドン塩酸塩、タペンタドール塩酸塩となっています。

一方、30日間の制限がある麻薬は、内服によるオキシコドン塩酸塩水和物やコデインリン酸塩、そしてジヒドロコデインリン酸塩にモルヒネ塩酸塩、またモルヒネ硫酸塩、フェンタニル、さらに注射もしくは貼付によるフェンタニルクエン酸塩です。

この2つのタイプの中には、同じ薬剤でも注射薬か内服薬かによって期間が異なるものもあるので、その違いを覚えておきましょう。
たとえば、フェンタニルクエン酸塩は内服であれば14日間、注射薬か貼付剤であれば30日間となっています。
逆に、オキシコドン塩酸塩水和物は注射薬なら14日間、内服薬であれば30日間となっています。

向精神薬の投与日数制限

向精神薬については、14日間と30日間、そして90日間の制限が設けられています。
向精神薬は種類が多いので、すべての薬を挙げることはできません。
それぞれの薬について処方する際には、投与日数をしっかり確認することが必要です。

たとえば、14日間の制限が設けられているものは、アモバルビタールやバルビタール、フェノバルビタール、ペンタゾシン、ペントバルビタール、マジンドールなどが挙げられます。
診療の現場ではよく用いられるものも含まれていますので、チェックが欠かせません。

また、30日の制限があるものは、クロキサゾラムやゾルピデム酒石酸塩、プラゼパム、メチルフェニデート塩酸塩、ロルメタゼパムなどで、一番種類が多くなっています。

90日の制限は、ジアゼパム、フェノバルビタール、クロバザムなどとなっています。
向精神薬の場合は、他の薬との併用を行っていることも多いので、より慎重にチェックを行うようにしましょう。