原因不明の行動
タミフルという薬をご存知でしょうか。
この薬はインフルエンザの治療薬であり、インフルエンザウイルスが取りついた細胞から他の細胞への感染を阻害する効果があります。
発症後48時間以内に服用すれば高い効果を発揮してくれるそうです。
一方で、インフルエンザの特効薬とも言われたタミフルの副作用の可能性や危険性も指摘されています。
このことについて、少し掘り下げてみましょう。
まずあげられるのが異常行動の可能性です。
この薬を服用していた中学生など2人の患者が転落死するという異常行動を伴う事故がありました。
報道でも服用による異常行動として大きく取り上げられましたが。これがこの薬剤の服用に起因するのか、インフルエンザ脳症によるものかについては様々な議論がなされていますが、未だに原因の特定には至っていないようです。
副作用の内容
現在のところ、こうした事件を受けて、10代の患者には原則としてこの薬剤を使用できないこととされていますが、これも明確な因果関係がみとめられたのではなく、因果関係が未だ解明されていません。
ただ、異常行動に対する注意喚起のため、意識障害、異常行動、せん妄、幻覚などの精神、神経症状がこの薬の使用による副作用として明記されることになりました。
普通の医薬品に比べて出現頻度自体は低いものの、こうした精神、神経症状以外のものとしては、動悸、血圧低下、蕁麻疹、皮膚の炎症、ただれ、水膨れ、口内炎、結膜炎、尿量の減少、むくみ、出血傾向、血便、意識障害、うわごとなどがあげられています。
こうした重篤な症状が出た場合は、直ちに服用をやめて医師に相談てください。
また、腹痛や下痢、吐き気、食欲不振、胸やけ、体温低下、頭痛、眠気、眠れない、めまい、視野狭窄などの症状が出ることもあります。こうした場合にも、服用をやめるかどうかも含めて医師に相談して指示を仰ぐ必要があります。
医薬品、特に抗ウイルス剤は病気に対して有効な反面、何らかの悪影響を併せ持っているものです。
タミフルは比較的安全でそれが少ない薬といわれていますが、それでも、発生頻度は低いとはいえ、ここに記載したような問題があることは間違いありません。
ただ、この薬剤自体は特効薬のないインフルエンザの治療、予防に顕著な効果のある数少ない薬剤の一つですし、他の抗インフルエンザ薬品にも何らかの副作用はありますので、こうした問題があることを十分に意識し、その発現や対応に留意しながら、上手に使用することで、非常に画期的な薬であるということも確かです。