免疫と皮膚病

乾癬という、他人に誤解を与えやすい皮膚病があります。
この病気の特徴は、皮膚が赤くなってしまい強いかゆみが出て表面の皮膚がふけのように剥がれ落ちてしまう病気なのです。

ですがとかく、人にうつる、不潔だ、という誤解を受けることが多い病気でもあります。
乾癬の原因は、いわゆる免疫システムの異常であるとされているものの、なぜ免疫の異常が起きるのか、というメカニズムは未だに解明されていません。

また乾癬の患者は、アメリカでは推定で総人口の数から2%くらいいるとされ、日本ではその10分の1くらいの数値でありますが、12万人の患者がいるとされています。
この病気は、国によって男女比が異なるという変わった特徴も持っており、日本では2対1で男性患者が多いといわれています。

乾癬はまだまだ日本では知られていない病気のため、患者たちは、周りの人たちの何気ない言動に傷つけられてしまうこともしばしばです。
またこの病気は、調査により、生活の質がとても低く、心筋梗塞よりも低いという結果が出ています。
患者はちょっとしたことで皮膚の角質がはがれてぼろぼろと落ちてしまうのを気にして、悩んでいることが多いのです。

理解のない人たち

13才で乾癬を発症したというある40代の女性は、半袖のファッションを楽しみたい年代であった10代、20代の頃でも年中長袖長ズボンの生活を強いられていたそうです。
皮膚の角質がぽろぽろと落ちてしまうため、ろくろく友達の家にも遊びに行けなかったということです。

この女性は、美容院でとても心を傷つけられたそうです。
美容院に行った時、頭部の乾癬の症状に気づいた美容師に「これ何!?病気なの!?」と大声で言われてしまって以来、彼女は美容院にも行けなくなったそうです。

この女性は、美容師の人達は乾癬という病気のことを正しく理解するべきだと訴えています。
乾癬の初期症状は頭部に出ることが多いので、そういったことも含めて、美容師には乾癬という病気をより深く理解してもらう必要があるでしょう。

一方、26歳の時に乾癬を発症したという別の男性は、最初は手の先から足の先まで発疹ができるというのです。
乾癬らしからぬ初期症状であったため、なかなか医師に正しく乾癬であると診断してもらえなかったそうです。
乾癬とわかるまでは、症状がなかなか良くならなかったため、一時は死を考えてしまったこともあったそうです。
この男性は、乾癬と診断してもらい、診断してもらって治療法が見つかるまでは大変な苦労と辛い思いをしたと語っています。

この男性はまた、乾癬と知らずに苦しんでいる人もまだまだ多くいるのではないかと主張しています。
乾癬は、症状が進行すると関節が歪んでしまい、日常生活に支障が出てしまうこともあります。
ですので、塗り薬や飲み薬、光線療法などの、正しい治療を早めに受けることが重要です。
また現在では、乾癬の皮膚症状も市販の化粧品やストッキングなどでうまくカムフラージュできる場合がありますので、こういったものを積極的に利用してみるのも良いでしょう。